2020年07月 月別アーカイブ記事一覧
- 「子どもへのまなざし」を読む 34
2020.07.31
『子どもの望んだことを満たしてあげる』 (続き) ソーシャル・レファレンシング 幼い子どもが、はじめて出会ったことにたいして、「どうすればいいのかな」とふり返ったとき、親や祖父母や保母さんや幼稚園の先生などの視線が、かならず見守ってくれていて、そして、どうすればいいのか教えてくれる。そういう過程をとおして、幼い子どものなかに育っていく人間的な感情や感性を、ソーシャル・レファレンシングとよんでいます... - 「子どもへのまなざし」を読む 33
2020.07.30
『子どもの望んだことを満たしてあげる』 (続き) 乳幼児がはじめて出会うとまどい 子どもが望んだことに、望んだとおりにこたえてあげるのは、生後1歳半くらいまでがいちばん重要だといわれますが、できれば二歳くらいまで、そういう気持ちで育児をするのがたいせつだと思います。その時期がすぎれば、もうそういう育児でなくてもいいというわけではぁりませんが、とくにその時期までがとても重要なのです。そういう育児をす... - 「子どもへのまなざし」を読む 32
2020.07.29
『子どもの望んだことを満たしてあげる』 乳児期の子どもは、自分ではなにもできない、ただ泣くことによって親に、うったえることしかできないということをお話してきました。そして子どものうったえには、全部こたえてあげる必要があると思います。なによりもそのことが、人にたいする信頼感にもなるし、自分自身にたいする自信にもつながることになるのです。 子どもの立場からみますと、親にやってほしいことはたくさんありま... - 「子どもへのまなざし」を読む 31
2020.07.28
『乳児期に人を信頼できると子どもは順調に育つ』 (続き) お母さんを信頼できる子どもは人を信頼する このように、ほとんどすべてのことにかんして、乳児期は子どもの要求を可能なかぎり、要求どおりに聞きいれてあげることが、子どもが豊かに人を信頼し、そして自分を信じていける子になるための前提なのです。ですから、すこし別の観点からみますと、人を信頼する力と自分を信頼する力というのは、おなどものだということが... - 「子どもへのまなざし」を読む 30
2020.07.27
『乳児期に人を信頼できると子どもは順調に育つ』 (続き) 乳児は自分ではなにもできない よく考えてみますと、乳児は自分の要求をなにひとつ、自分でかなえることはできないのです。おむつがぬれて気持ちが悪くても、おむつを取り替えることはできませんし、空腹であってもおっぱいを飲むことはできない、あつくるしくても部屋の温度を調整することもできなければ、洋服ひとつぬぐこともできない、自分ではなにもできないので... - 「子どもへのまなざし」を読む 29
2020.07.26
『乳児期に人を信頼できると子どもは順調に育つ』 (続き) 赤ちゃんが望んだことは満たしてあげる 三〇年も前のことですが、ヨーロッパの学者や研究者や臨床家の間で、赤ちゃんが望んでいることは、どんなことでも無条件で満たしてあげたほうがいいか、そうしないほうがいいかで、意見がわかれていました。 子どもがなにかを望んだとき、いつでもなんでもしてもらえるのだとか、泣いて要求すれば、なんでも思いどおりになるの... - 「子どもへのまなざし」を読む 28
2020.07.25
『乳児期に人を信頼できると子どもは順調に育つ』 (続き) エリクソンによる乳児期の発達課題 エリクソンは、健全な発達や成熟のための要件を総合して「クライシス」という言葉でよんでいます。クライシスというのは、翻訳すれば危機ないし危機的な状態ということです。人間のライフサイクルのそれぞれの時期にのりこえなければならない、私たち日本人的な感覚でいえば、「達成しなければならない危機的な問題」があると、こう... - 「子どもへのまなざし」を読む 27
2020.07.24
『乳児期に人を信頼できると子どもは順調に育つ』 人生のはじめ、ほかの人との関係をスタートする乳児期に、赤ちゃんはどのように育てられることがもっともいいのか、どうすれば子どもの気持ちが生き生きと健全に育つのか、ということを考えてみようと思います。私は20年以上も、保育や育児について話し合ったり勉強したりする会を、や神奈川など各地の保育者や若いお母さんたちと、もう何百回どころか千回をこえるほど多く積み... - 「子どもへのまなざし」を読む 26
2020.07.23
『生命との出会い』 (続き) 出産直後から母と子はいっしよがいい (続き) こんどは家族の了解が得られた場合だけですが、おなじようなことをおなじような事例で、つぎのような観察がなされました。家庭のなかに常設のテレビカメラを設置し、母親の育児行動のすべてを一定のやり方で、可能なかぎり記録したのです。お母さんにはできるだけカメラなんか意識しないで、自由に自然のままの気持ちで育児をしてもらいます。最初はカ... - 「子どもへのまなざし」を読む 25
2020.07.22
『生命との出会い』 (続き) 出産直後から母と子はいっしよがいい それから胎生医学からひきつづいて、周産期医学の専門家たちが、この十何年の間に、私たちにつぎつぎと新しい知識を教えてくれました。それは出産直後から、どのような母子の関係がいいのかという研究の結果です。 近代の医学や医療では、健康な赤ちゃんが生まれますと、「元気な赤ちゃんですよ」とか、「男の子ですよ」、「女の子ですよ」といって、お母さん...