2020年08月 月別アーカイブ記事一覧
- 「子どもへのまなざし」を読む 63
2020.08.31
『友達と学び合う時期』 保育園、幼稚園を卒園するまでに、やっておかなければならないことというか、卒園の資格というものがあるとすれば、それは仲間といっしょに楽しく遊べること、ひとりで遊ぶよりは仲間と遊んだほうが何倍も楽しいという習慣、いわば、そういう能力を子どもが身につけることだと思います。そういう感情、感性、機能、能力を身につけること、それが卒園の基本的な資格だと思います。 新しい章に入りました。... - 「子どもへのまなざし」を読む 62
2020.08.30
『子ども同士の遊びのなかで生まれるもの』 (続き) 子どもたちの電車ごっこ遊び ヴィゴツキーの研究書のその部分を私なりにまとめてご紹介します。 子どもたちがある町の郊外で、十数人集まって遊んでいた。いちばん大きな子でも、もうすぐ学校という年齢で、学校へ入っている子はまだだれもいなかった。学齢の子どもたちはちょうど学校のある時間なので、みんな学校へいっている。やがて帰ってきて、みんなの遊びに合流する... - 「子どもへのまなざし」を読む 61
2020.08.29
『子ども同士の遊びのなかで生まれるもの』 (続き) 子どもたちは遊びのルールをつくる たとえば、幼い子どもが二人で砂場で遊んでいる。川をほり、山をつくり、トンネルをほっている、こういう遊びをしている場面だって、ちょっとみてごらんなさい。僕は川をほる、君は山をつくりなさいというふうに、ちゃんと役割を分担し合っているのですから。 保育園に相談にうかがって、子どもたちが砂場でこういう遊びをしている場面を... - 「子どもへのまなざし」を読む 60
2020.08.28
『子ども同士の遊びのなかで生まれるもの』 (続き) 遊びのなかで自分をみつける 子どもたちは、仲間といっしょに遊べるようになると、まずルールをつくる、かならず規則をつくります。そして、その規則を守れる子どもだけが、原則として遊びに参加する資格がある、子どもたちのいろんな遊びをみているとそう思います。そして、つぎに役割を分担し合う、どんな遊びにもまったくおなじ役割というものはなくて、みんなにそれぞれ... - 「子どもへのまなざし」を読む 59
2020.08.27
『子ども同士の遊びのなかで生まれるもの』 子どもにとって遊びがたいせつだということは、どなたも知っていらっしゃると思います。とくに、幼児期の子どもたちを育てていらっしゃるみなさんは、もう十分承知していらっしゃると思います。けれども、なぜ、どのようにたいせつなのかということについては、なかなか知らないことがあると思います。 そのことについてですが、ソビエト(現在のロシア)の心理学者であり、発達学者であ... - 「子どもへのまなざし」を読む 58
2020.08.26
『思いやりは身近な人とともに育つ』 (続き) 自分が幸せであることがだいじ それでは、幸せというのはどういうことなのか、おなじ条件、おなじ状況であっても、幸せに思える人と思えない人がいます。あるいは、おなじことにたいして、感謝のできる人とできない人がいるわけで、これが幸せだということはないのです。 非常に健康で裕福でも不幸な人がいるし、体が病虚弱であって、経済的に貧しくても幸福な人もいるわけです。... - 「子どもへのまなざし」を読む 57
2020.08.25
『思いやりは身近な人とともに育つ』 (続き) 自分が幸せな人ほど、相手を思いやることができる いままでお話をしてきたように、相手に共感できるようになるというのは、いったいどういうことなのでしょうか、ちょっと考えてみてください。結局、人間は自分が幸せでなければ、こういう感情をもつことはできないのですね。幸せな人ほど、そういう気持ちに比較的なりやすい、人の喜びも自分の喜びにすることができるのです。自分... - 「子どもへのまなざし」を読む 56
2020.08.24
『思いやりは身近な人とともに育つ』 (続き) 思いやりはいっしょに喜び、悲しむ気持ち 思いやりという感情は、どういう感情なのでしょうか。人の気持ちに共感する感情であるといってもいいかもしれません。相手を思いやるということについて、聖書のなかにこういう言葉があるのです。「喜ぶ人といっしょに喜びなさい。悲しむ人といっしょに悲しみなさい」、これはできるようでなかなかできにくいことなのです。 思いやりの感... - 「子どもへのまなざし」を読む 55
2020.08.23
『思いやりは身近な人とともに育つ』 (続き) 小さいときほどお手本どおりに育っていく いずれにしろ、そのように人間の子どもというのは、小さいときであればあるほど、お手本どおりに育っていくものです。大きくなればなるほど、お手本のようにならなくなってくるわけです。もう、一定の決まった路線でいってしまうのです。小さいときには、お手本どおりになるというところがとてもだいじなのです。ですから、みなさんたち乳... - 「子どもへのまなざし」を読む 54
2020.08.22
『思いやりは身近な人とともに育つ』 (続き) 子どもは身近な人をお手本にする 人間の子どもというのは、それはみごとに、身近にいる人をお手本にいたします。私たちからみてよくわかる、いちばん極端な例は、狼少年とか狼少女の話です。アベロンの『野性児』、あるいは『狼少女』のような例です。『狼に育てられた子ども』など、いろんな本がでておりますが、読まれた方もいらっしゃるかもしれません。そのうちのひとつ、『狼...