「完 子どもへのまなざし」の復習 53 - かわいがり子育て

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「完 子どもへのまなざし」の復習 53

ご来訪ありがとうございます。きょうは、
七 保育、教育の現場で から、

【失敗を乗りこえて働いています】

についてメモしてみます。

     *****

この高機能自閉症の青年も、一歳半健診以来のおつきあいです。

入学偏差値の高い大学を卒業しました。


何度か面接に失敗し青年は運送会社のトラックの助手に採用され、

やがて中型のトラックの運転を任されました。

ところが、決められたルート以外の道を利用することをしません。

渋滞していても決めた道路しか走らないために、

予定時間を大幅に遅れるということが重なり、解雇されました。


彼は自分で事業をすることを思いつきました。

資本金がない、店舗もない、いきなり高額な収入がなくてもいいけれど、

損をして借金を背負いこむようなことも困ると、彼は考えぬいた結果、

家を事務所に使用させてもらい、

商品の受託販売の仕事をはじめることにしました。 


彼は事前の条件として、販売を受託した商品は、

売れてから代金を支払えばよいこと、また一定期間内に

売れ残った商品は返品できるということです。

条件を満たした取引先を見つけ、事業開始となりました。

代金が後払いで、返品も可能だという条件では、

利益率は低くなるのですが、彼はその方法を選びました。


取引先の本社での研修で、

まず知り合いの人に電話や手紙で注文を取るようにと教えられました。

彼は学生時代の同窓会名簿や町内会の名簿を利用して、

教えられたとおりに連絡と注文取りに熱中しました。

一度や二度断られたくらいではあきらめないで、

教えられたとおりに実行しました。

この仕事のやり方が、相手の不評や怒りを買うことになってしまいました。

相手の気持ちを察することができないので、ほぼ一様に、

だれかれかまわず、押しの一手でやってしまったのです。

一部では警察沙汰にまでなってしまい、また挫折してしまいました。 


その後、障害者として療育支援を得て、障害者枠で特例子会社に就職する

ことができましたが、職業訓練センターで技術を身につけるときも、

さまざまな苦労をしたそうです。


一般的に、自閉症の人は職業訓練センターでちゃんとできた仕事でも、

まったく同じ仕事を工場でやろうとするとなかなかできないのです。


なぜ、職業訓練センターでできることが、

ほかの場所ではできないのでしょうか。

場所と行動が一対一の関係で強く結びつくのが、

自閉症の人の特徴だからです。

そして、この人たちの、予期しないことがおきることに対する恐怖は、

私たちには想像できないほどのようです。

彼はジョブ・コーチの支援も受け、会社でも安心できるようになり、

仕事をきちんと覚えて、いまでは、会社から感謝されるほど

勤勉ですぐれた能力を発揮しています。

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この章の最後にふさわしい、失敗にくじけずそれを乗り越えて頑張っている青年のお話でした。しかし、そのためには、周囲の理解と協力が不可欠であることをこの例でも教えられますね。

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