子どもの「花」が育つとき 14 - かわいがり子育て

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子どもの「花」が育つとき 14

第2章 芽生えのころ  ◆生後まもなく~4、5か月ごろ◆
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 * 抱っこと赤ちゃんの感性
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赤ちゃんが泣くと、お母さんはつい、
「まあうるさい」などと思いながら抱き上げて、赤ちゃんを揺すったり、
縦抱きにしたり横抱きにしたりと、おろおろするでしょう。
けれども、赤ちゃんは親の気持ちに非常に敏感に反応しますから、
お母さんに、早く泣きやまそうなんて邪心があるときには、
なかなか泣きやんでくれないものです。

抱っこについて、ひとつエピソードを紹介しましょう。
あるとき、4か月の赤ちゃんを連れて相談に見えたお母さんは、
「うちの子は私が嫌いなんです」と悩んでおられました。
「生まれたときから、私が抱っこをすると、身をよじるようにして嫌がるんです。
それが、主人が帰ってきて抱っこをすると、にっこり笑う
私が抱いても笑った顔などしたことないのに」

「それはたぶん、お母さんが、一生懸命になりすぎているのではないでしょうか」
と、私は申し上げました。
「育児にあまり一生懸命になりすぎると
抱っこされるときに、赤ちゃんが緊張してしまうのです」

本当にそのとおりでありまして、
私が以前テレビで健康相談をやっていましたときにも、
こんなことがありました。

その日は、
お母さんに抱かれて、にこにこしている赤ちゃんがスタジオに見えましたから、
私は心ひそかに、
「ああ、今日はNGが出なくて、早く帰れるな」と喜んでおりました。
ところが、いざ本番。
撮影開始」の合図が出ると、赤ちゃんが急にぐずりはじめたのです。
さあ、困りました。
番組の途中で赤ちゃんが大泣きをしたら、
お母さんのご相談どころではなくなりますから、収録をし直さなくてはなりません。
そこで、
「どれどれ、私が抱っこしましょう」と、
お母さんからその赤ちゃんを抱き取りました
そうしたら、その赤ちゃんはとても緊張しているんですね。
その証拠に、体じゆうの筋肉がぴ―んと張っておりました。
私は、お母さんの気持ちを鎮めようと思い、
赤ちゃんを抱っこしながら、お母さんに、
「きょうは何時ごろ、家を出たんですか」とか、「車で来られたんですか」とか、
いろいろ話しかけました。

そのうち、私の腕の中でしゃちほこばっていた赤ちゃんの体が
ふわっとやわらかくなって、
体重もじわりと重く感じられるようになりました。
赤ちゃんの気持ちも落ち着いてきたのですね。
それがわかりましたから、
「さあ、お母さん、お返ししますよ」と赤ちゃんをお返しし、
番組の収録も無事に終わりました。

収録後ビデオを見ましたら、
最初は緊張しきっていた赤ちゃんが、
あとのほうではカメラを見てにっこりと笑っております。
それを見て、「ああ、そうか」と納得しました。
カメラが回りはじめてから急に赤ちゃんが緊張したのは
お母さんのせいだったのですね。
お母さんがテレビによく映ろうとして緊張している
その気持ちがそのまま赤ちゃんに伝わってしまったのです。

実は、抱っこの素晴しさアメリカでも注目され、
テレビを通じてお母さん方に、
「きょうは1回以上は、赤ちゃんを抱っこしましたか」
といった呼びかけまでしたことがありました。
アメリカでは、ご存じのとおり、
日本以上に子どもたちにいろいろな問題が起きてきています。
どう対処すればよいのか……、
その結果、抱っこをすればいいのではないかということになったのです。
そして、それについては、
抱っこ」の先進国といえる日本の育児に学び
たくさん抱っこをしましょう、ということになりました。

そういうわけで、私はアメリカに講演に呼ばれたりしたのですが、
そこでも申しましたが、ただ物理的抱っこするだけでは駄目なんです。
落ち着いたゆったりした雰囲気で抱っこをしないと、
赤ちゃんの気持ちは安定しません。

先ほどのお母さんの心の中には、
「どうして笑わないの?」
「私が一生懸命抱っこすれば笑ってくれるはず」
などという気持ちがあったのでしょう。
そういう緊張感が赤ちゃんにも伝わり、
「笑顔」という素敵な能力を発揮してくれなかったのです。

お母さんが急いでいたり、腹が立っていたり、
悲しくなっていたりするときには、
抱っこはしないほうがいいですね。
そういうときは、ひと息ついて、
お母さんの気持ちが落ち着いてから抱っこしてください。
どうか、抱っこは豊かな気持ちで、お願いします。

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 子育て教室などでみていますと、「抱っこ」を喜ばないお子さんを時々見かけます。とても気になりますが、お母さんの心の状態が深く関係しているのですね。たしかに、「私が抱っこしても嫌がりますが、パパのところへは喜んで飛びついていきます」とおっしゃったお母さんもおられました。発達障害のお子さんの中に、抱っこを嫌がるお子さんもいるようですが、それ以前の問題もあるようですね。
 いずれにしても、まずは、お母さんの落ち着いた、ゆったりした雰囲気や心の状態が大切だということです。そのため、お母さんが育児にあまり一生懸命になりすぎると、過ぎたるは及ばざるがごとしではないですが、赤ちゃんを逆に緊張させてしまうことがあるということです。
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