育(そだてる) 62 - かわいがり子育て

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育(そだてる) 62

5 赤ちゃんはいつも"学んで"いる
                                                       ソニー・ファウンダー 最高相談役 井深 大
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* 間違った早教育は、″いびつな子″を育てる
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 このような見方をすると、幼いときの教育はひじょうに強い効力を持つのですが、たいていの場合、何か極端にかたよるところがあって、弊害といえるものが避けられないような印象を受けます

 先に例をあげたノーバート・ウィーナーもこんな言葉を書き残しています天オ少年だった彼は、数学、電気工学、神経生理学などの各分野でたいへんな功績をあげ、コンピュータやロボットの原理となるサイバネティクスの理論を築き、アメリカの大学者となりました。私も彼の仕事をひじょうに尊敬しており、彼に師事したあるかたから、彼は柔和な人柄だったと聞いていました
 ところがその彼は自伝『神から几人へ』の中で、自分は何かいびつな性格に育ったことを自覚し、自分でもけっしてかわいらしさのある子どもではなかった……といっているのです。
 また、ジョン・スチュワート・ミルも社会生活における自分のアンバランスさに悩み、自分の冷たいと思われる性格をつねに反省して、卑屈な人間にならないように努めたといいます。

 では、結局、早教育は不幸な人間をつくりだすものなのでしょうか
 いままでにあげた人びとの中で、非几な経緯をたどりながらも、生涯を幸福に過ごしたのは、カール・ヴィッテただ一人といえるかもしれません
 牧師である父親は息子に、高い知性だけでなく、深い信仰心と円満な性質が備わるようにすることをもっとも心がけた人でした
 本の中にも、子どもに戸外の自然の中で過ごさせることを最優先したと書いていますが、彼は教育の理想を驚くほどこまやかに、徹底して行なったのです。
 ヴィッテの父が心がけたという点を推量することのできるつぎのような言葉が、本の中にあります

子どもが順調に成長するためには、妊娠前から準備が始められなければならない。夫は自己を訓練し、自分自身が健康で、知的であって、良い妻を持たなければならない。その結果として、心身の健康な子どもが育つのである。出産前に子どもの将来のための準備ができていなければならない。そして妊娠中の重要性については、いまさらいうまでもないことだが、飲食を節制し、肉体的にも愛しあい、戸外でよく運動し、良い水を飲み、身体を清潔に保ち、責任を忠実に果たし、満足し喜び、そして神に忠実であらねばならない
 妻だけでなく、夫も同様に振る舞うならば、神は必ず健康な子どもをお授け下さるだろう子どもにこれだけの条件がそろっておれば十分である」

 ヴィッテの父は、カールのオ能が人より秀でていることを本人に自覚させないように留意し、カールが人から愛される人間に育つことにもっとも心を砕いたといいますそのために、母親(妻)への心づかいをたいせつにし、つねに愛情のこもった接し方をしたのだそうです。
 この父の教育したカール・ヴイッテが、すばらしいオ能を持ちながら、だれからも愛されて、すこしも傲慢なところがなかったというのも、不思議ではないかもしれません。

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 今日のお話は、早教育が効果があるだけに間違ったやり方によって弊害と考えられるものが避けられなかったと思われる実例を踏まえ、そういう中で、非几な経緯をたどりながらも、生涯を幸福に過ごしたカール・ヴィッテに対する早教育についてのお話です。
 ヴィッテのお父さんの心がけた早教育というより子育ての考え方は、現代にも通ずる素晴らしいものだと感動します。出来ちゃった結婚が25%を占める昨今、いろいろ考えさせられます。また、ワンオペ育児なる言葉が使われている子育ての状況についてもヴィッテのお父さんの「カールが人から愛される人間に育つことにもっとも心を砕いたといいます。そのために、母親(妻)への心づかいをたいせつにし、つねに愛情のこもった接し方をした」というくだりを読むと、つくづく考えさせられます。
 結婚し家庭を持ち、子どもを産み育てる上での、人として心構えそのものが説かれていると思います。
 素敵なお話です。
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