育(そだてる) 67 - かわいがり子育て

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育(そだてる) 67

6 五ケ月の胎児はお母さんの声に反応する
      -子育ては胎児教育から始まる
                                                                               京都大学名誉教授 大島 清
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 * なぜ胎児のうちから教育が必要なのか
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 「胎児教育というと、その言葉を聞いただけで「なぜ、生まれるまえから教育をする必要があるのか」とか、「うちの子どもは天オになる必要なんかないなどと、ある種の拒絶反応を示す方が多いのではないでしょうか
 しかし、私がこれからお話ししようとしている胎児教育とは、胎児に何かを″教えこむ″ことでもなければ、天オ児をつくり上げる方法を説くわけでもありません。

 母親のお腹の中で、まだ小さな命の芽のうちから胎児が身につけ始めているすばらしい能力、しかも私たちが想像している以上の豊かな可能性を、伸び伸びと育ててやってほしいという私の願いを聞いていただきたいだけなのです。
 しかし、なかには、可能性とはいってもある程度は親からの遺伝で能力が決まってしまうのではないか、と思われる方がいるかもしれません。そうした方に、なぜ胎児のうちから教育が必要なのかをご理解いただくためには、同じ父親と母親から生まれてきた兄弟が、生まれつき性格や好みが大きく違っていることが珍しくないのを思い起こしてみれば、話がわかりやすくなるでしよう。もちろん、生まれてからの生活環境の違いで性格などが兄弟で異なってくるのはよくあることですが、私がここで言っているのは、あくまでも生まれつき、つまり誕生直後のケースです。

 兄弟が、生まれたころのことを両親に聞いてみると、兄のときはあまり動きがないおとなしい赤ちゃんだったのに、弟のほうはお乳をむさぼるように飲む元気な赤ちゃんだった――など、性格や行動が違っていることがあるわけです。
 兄も弟も、同じ父親、母親からの遺伝子を受け継いで生まれてきたはずなのに、どうしてこのような違いができてくるのでしょうか。これは、もうおわかりだと思いますが、母親の胎内にいたときの環境の違いなのです。これは、胎児のときに、母親からどのような影響を受けたかの違いと言い換えてもいいでしよう。

 私たち人間の体が、無数の細胞から成り立っているのはよくご存じのことと思います。
もうすこしくわしくいうと、約六十兆個の細胞があるわけですが、母親の胎内で命の芽が宿ったときは、たった一個の細胞にすぎません。このとき、すでにこの細胞は、父親と母親の遺伝子を受け継いでいます。当然のことながら、この細胞は胎内にいるあいだに猛烈な勢いで分裂を続けていきます。
 細胞は分裂を続けながらいろいろな能力の芽を出していくのですが、そのときにどのような影響を母親から受けたか、 つまりどういう環境で育ったかによって、成長の仕方もできあがる能力も違ってくるのです。
 細胞が分裂しながら大きくなっているときに、何かダメージを受けてしまえば、どんな天オの遺伝子を受け継いだとしても、その能力を発揮することはできません。ですから、胎児の豊かな可能性を十分に引き出してやるためには、母胎という胎児が育つ環境をいい状態にしてやらなければ、可能性の芽を摘みとってしまうことになるのです。

 これが、私が言っている胎児教育なのです。
 つまり、私のいう胎児教育とは、胎児に何か知識を教えこむことではなくいまお話ししたように、豊かな可能性を引き出すお手伝いをすることです。
 胎児は、自分でその能力の芽を一生懸命になって伸ばそうとしています。その芽を伸ばしながら、自分で″学ぼう″ともしています
 しかも、ある時期がくると、胎児は、もうすでにお腹の中で耳を傾けたり、皮膚で感じたり、そうやって聞き、感じたことを記憶したりと、全身で学んでいるのです。
 しかし、″学ぶ″といっても、その先生になるのは、もちろん母親しかいません。ですから、母親が見たこと、聞いたこと、感じたことは、すべて胎児に影響を与えているといっても過言ではありません。

 母親が胎児に与える影響などについては、あとで個々の能力別にくわしくお話ししていきますが、すこしは胎児が育つ″環境づくり″のたいせつさがおわかりいただけたでしょうか。
 胎児の動きを胎動といいますが、母親が胎動に気づいた四カ月の終わりごろには、すでに胎児が学びはじめています。妊娠という二百六十六日間を、片ときも離れることなく、胎児といっしょに過ごす母親だからこそ、すばらしい胎児の能力の芽をのばすことも、逆にその芽を摘んでしまうこともできるのです。その意味で生まれるまえから、教育は始まっているのです。

 胎児がもっているすばらしい能力や、その能力を伸ばすために母親がどんなお手伝いをすればいいかについて、その考え方の一端をお話ししてきました。
 たしかに、胎児はお腹の中で一生懸命になって学び、生まれてから自分がもつ能力を十分に発揮できるように″土台づくり″をしています。

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 今日から、京都大学大島清名誉教授の胎児教育についてのお話です。大島先生は、日本の脳生理学の発展と啓蒙の中心的役割を果たした時実利彦東大教授のもとで学ばれた大脳生理学の権威であり、また生殖生理、胎児の生理にも深い造詣をお持ちとのことです。お話の出典は『胎児教育』です。
 今日のお話は、大島先生がなぜ胎児教育が必要だとお考えなのか、その理由をお話されています。なるほどと、納得できるお話だと私は思います。この方面の知識は持ち合わせていないので楽しみに、興味深くよんでいきたいと思います。 

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