育(そだてる) 76 - かわいがり子育て

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育(そだてる) 76

6 五ケ月の胎児はお母さんの声に反応する
      -子育ては胎児教育から始まる
                                                                               京都大学名誉教授 大島 清
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 * 母親に頼らなければ、胎児は自分の脳を有害物質から守れない
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 胎児は、母親に守られてスクスクと育っていきます。だから、もし妊娠中の母親が乱れた生活を送っていると、未熟で弱々しい胎児は、たちまちダメージを受けてしまいますとくに胎児の脳は、母親が体の中に受け入れた有害物質に対して、まったく無防備だということをここではお話しします。

 胎児の脳をつくっている脳細胞は神経細胞というものですが、これは、生まれたときにはすでに大人と同じ数だけつくられており、その後はあまり増えることはありません
 生後はグリア細胞という別の細胞がどんどんつくりつづけられ、とくに生後一年間はたいへんな勢いで増えます。そのため生後直後は四〇〇グラムほどだった脳は、 一年で七〇〇~八〇〇グラムほどにもなります。
 じつは、このグリア細胞の少ないことが、胎児の脳が有害物質に弱い理由なのです。というのは、グリア細胞は脳の中に有害物が侵入するのを防ぐ「関所」のような役割を果たすからです。それでは、このたいせつなグリア細胞の働きをもうすこしくわしく見ることにしましょう。

 グリア細胞の周囲は血管でびっしり取り囲まれており、この血液の壁から血液中の栄養素や酸素を吸いとって神経細胞に与えます。神経細胞はある特定の場所を除いて、血管とは直接つながっていないので、グリア細胞はいわば血管と神経細胞との間の渡し船の役をするわけです。

 ただし、何でもかんでも運ぶわけではありません。色素や気体や、その他有害なものは神経細胞へは通しません。だから、「関所」でもあるというわけです。これを専門的には「血液脳関門」をつくっている、と呼んでいます。

 このようにして人間の脳はグリア細胞で守られているわけです。しかし、胎児にはグリア細胞がまだ十分ではありません。つまり、守ってくれる「関所」がないわけですから、母親がアルコール、タバコ、薬、麻薬といった有害物を摂取すれば、胎盤を通して、胎児の脳にストレートにはいってしまいます。その結果、障害をもって生まれたり、ときには流産したりするといったおそろしい結果を招きかねません

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 ゴールデンウィークも終わり週明けです。今日のお話も、聞けば聞くほど脳というのは、複雑な仕組みで作られていることに驚かされますね。脳を守るために哺乳類は神経細胞に様々な物質が直設触れることがないよう、グリア細胞を介して必要な酸素や栄養素を届けるとともに、有害物質の侵入を防いでいるということです。ところが、胎児のうちはこの機能がまだ不十分なためお母さんの胎盤を通して、胎児に必要な物質も有害物質もストレートに胎児の中に取り込まれてしまうということです。そして、取り分け胎児の脳はその影響を受けやすいというわけです。繰り返し繰り返し説明されていることですが、妊娠中のお母さんの役割の重要性がここでも確認されています。
 今週もどうぞよろしくお付き合いよろしくお願いいたします。

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