育(そだてる) 78 - かわいがり子育て

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育(そだてる) 78

6 五ケ月の胎児はお母さんの声に反応する
      -子育ては胎児教育から始まる
                                                                               京都大学名誉教授 大島 清
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 * 母親が風邪をひくと胎児も風邪をひく
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 アルコールやニコチン、麻薬物質といった毒物が、胎盤を通って胎児の脳に達するとどんな悪影響を及ぼすかおわかりいただけたでしょう。
 胎盤は、母親の血液から酸素や栄養分を胎児に与えるときにいっしょにこのような毒物を通してしまうわけですが、しかし、あらゆる有害物質を通してしまうというわけではありません。
 たとえば、大部分の病原菌は防いでくれますし、大部分の有害物質は胎盤で阻まれると言っていいでしょう。それでも胎盤を通ってしまう有害物質にはどんなものがほかにあるかをここではお話しすることにします。

 まず、強いウイルスは防ぐことができません。母親がウイルス性の風邪をひくと、胎児も風邪をひいてしまうのです。
 これはもうよく知られていることですが、なかでも恐ろしいのは風疹のウイルスです。母親はたいして重い病気″にはなりませんが、そのかわり胎児は、それがとくに妊娠初期だと中枢神経にウイルスが作用することがあります
 昭和三十九年から四十年にかけて、沖縄で風疹が大流行したことがあります。
 当時妊娠中で風疹にかかった女性から生まれた赤ちゃんは、難聴とか心臓奇形といった障害が多く出ました。当時は、風疹の怖さがあまり知られていなかったため、子どもたちも親もたいへんな不幸を背負わなければなりませんでした。もし、この本を読んでいる人の中に妊娠まえの女性がいれば、風疹の免疫があるかどうか調べておくことをお勧めします。もし、免疫がなければ、早めにワクチンの接種を受けてください。ただし、接種後ニカ月間は胎児に感染する恐れがありますから、そのあいだは避妊が必要です。
 ウイルス性ではない風邪の場合でも、風邪薬を飲むのは禁物です。薬の中の化学物質が胎児に影響を与えるかもしれないからです。母親の体に免疫反応が起こって風邪を退治してくれますし、発熱も、よほどの高熱でないかざり、胎児には害をなさないので、自然治癒にまかせるようにします

 毒性の強いウイルスで最近こわいのはエイズです母親がエイズに感染すると、胎児も五〇~六〇パーセントの高率で感染するといわれています。エイズ・ウイルスに侵された赤ちゃんは、生後ニカ月で発症するといわれ、しかも、その死亡率はたいへん高いとされています。
 また、母親が妊娠中、あるいはそれ以前にクラミジア、B型肝炎、ヘルペスなどの病気にかかると、出産で産道を通るときに、胎児に感染します
 薬の害としては、ベトナム戦争のときに大量に空から枯葉剤がまかれ、それが原因となって不幸な赤ちゃんがたくさん生まれたという例があります。
 散布された枯葉剤には、ガンや奇形のもとになるダイオキシンという猛毒が含まれていました。そのため、双頭、単眼、無脳、小頭、無眼、二重体などの障害をもった赤ちゃんが生まれるという悲劇がまきおこりました。
 日本で治療を受けたベトちゃん、ドクちゃんもその犠牲者なのです。

 日本では、胎児性水俣病という悲惨な例がありました。母親の体内にあった有機水銀が胎児の脳の神経細胞へ溶けこんで、言語障害や視野狭窄といった障害をもった赤ちゃんが数多く生まれました

 このような人為的につくり出された毒物が胎児を直撃すると脳や神経、心臓、日、耳、日、手足といった全身のさまざまな器官の成長がとまったり、あるいは、正常に発達しなかったりします。ときには、胎児が死んでしまうこともあるのです

 地球的規模での環境汚染で、現在、その影響の大きさや深さが心配されているものに、 一九八六年に起こった旧ソ連のチェルノブイリの原子力発電所事故があります。事故によって、ウクライナやヨーロツパだけでなく、はるか遠く離れた日本の牛乳や野菜、お茶も放射性物質によって汚染されたという人もいます。
 ガンや自血病の原因となる放射性物質は、食べ物を通じて人体にはいると、呼吸によってすこしずつ排出されるほかは、体内から排せつされないやっかいなものです。女性の場合は、この放射性物質が卵巣にはいると卵子に作用して、赤ちゃんに影響を与える危険性があります
 このように食べ物を通じて体内に放射性物質がはいることはたいへん危険なのですが、妊娠中に放射線を浴びることも胎児に悪影響を及ぼします。そのため、病院では妊娠している可能性が高い女性のレントゲン写真は撮りません。とくに妊娠初期に放射線を浴びると、赤ちゃんに奇形が生まれやすいことがわかっています。というのは、妊娠初期というのは、人間のさまざまな器官のもと(原基)つくるために、ものすごいスピードで細胞分化が進んでいるからです。

 妊娠初期というのは、妊娠していることに気づいていない場合が多い時期です。レントゲンだけでなく、ウイルスや毒性のある薬物がこの時期に母親の体内にはいると、胎児にとってはたまったものではありません。ですから、女性は基礎体温表をつけるなりして、つねに自分が妊娠しているかどうかをチェックしておいたほうがいいでしょう

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 今日のお話は、胎児がお母さんの胎盤を通して様々な有害物質の影響を受けているかという具体例がたくさんお話されています。それ以外にも、レントゲンのように直接胎児に悪影響を与える例もあるということです。特に、妊娠初期に悪影響を受けやすいということですので、妊娠の可能性のあるお母さんはこれらのことについて正しい知識を身に着けておく必要があるのですね。ところで、取り越し苦労かと思うのですが、販売されている加工食品には驚くほど多くの食品添加物が使われています。国の基準に基づいて使われているはずですから安全だと思いながらも、ふと悪い影響は本当にないのかと思ってしまいます。
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