育(そだてる) 85 - かわいがり子育て

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育(そだてる) 85

7 お腹の赤ちゃんとおしゃべりしていますか
      -“胎談”のコミュニケーションで赤ちゃんはどう変わるか
                                                                               大阪胎教センター主宰 森本義晴
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 * 「新生児の覚醒期」に親子の絆がつくられる
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 前項で、生後三〇分でお父さんの言葉を理解した赤ちゃんの例を紹介しましたが、この点について、違う観点から考えてみましょう。それは生まれたばかりの赤ちゃんの意識についてです。お父さんの言葉を理解した赤ちゃんの話を聞いたとき、私が、おおいに納得できたのは生後三〇分という時間と関係があります。

 赤ちゃんの意識は、生まれると、すぐ「まどろみ」の時期を迎えます。これはいわゆる夜明けのまえの薄ぼんやりした時期をいいます。そして一〇分から三〇分くらいたつと、次に「新生児の覚醒期」が訪れます。これがだいたい三八分間ほど続くといわれています。先の赤ちゃんも、父親の言葉を理解したのは、覚醒期だったのです。

 この「新生児の覚醒期」については、いま学者のあいだで、たいへん強い関心を持たれ、盛んに研究もされています
 そしてその時期に新生児がどのような対応をするのか、どのような顔をしているのか、どのような態度をとるのかというのがひじょうに重要だといわれています。それは、この時期に新生児がはじめて物事を認識するからだ、と考えられているからです。

 この時期に母子の絆が形成されると指摘する専門家も少なくありません

 * 出産後はしばらくお母さんに抱かせることがたいせつ
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 ところが昔の産婦人科では、出産の直後にいちおう「元気な赤ちゃんですよ」と母親に赤ちゃんを見せましたが、すぐに「感染したらいけませんから新生児室‐‐へお預かりします」と赤ちゃんを連れて行きました。その後にたいせつな覚醒の時期が来たわけですから、たいせつなときに母親と赤ちゃんは離れ離れになっていたのです。「新生児の覚醒期」の研究がまだ行なわれていないころですから、それはじかたがないことでしょう。
 しかし現在、その研究もかなり進んでおり、私のかかわっている病院でもかならず出産後一時間くらいは母親に抱かせて、覚醒期を逃さないようにしています。そして、このときに母親と新生児が「EYE TO EYE CONTACT」、つまり日と目が真正面から接触することをだいじにしています

 ″インプリティング″という言葉がありますが、これは鳥や動物の赤ちゃんが生後、明らかに姿、形が異なっていたとしても、最初に見たものを親と思ってしまうということです。これと同じことが人間にもあると考えられているのです。

 今の四〇代、五〇代の日本のサラリーマンは働きバチで、わが子の出産に立ち会わなかった人も少なくありません。私は最近テレビや新聞でもさわがれているように、子どものいじめや家庭内暴力が多発するのも、父親が「新生児の覚醒期」に強い親子の絆を結ばなかったスケが回ってきたのではないかと思います。

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 これらの記事にも驚きました。私は寡聞にして存じませんでした。ネットで調べてみると、新生児の意識レベルについてたくさんの記事が載っていました。不勉強を恥じ入るばかりです。一つには授乳の関係で睡眠と覚醒についていろいろ研究されているようです。今日の森本先生のお話と関係がありそうな記事が目に留まりました。大藪 泰さんの「新生児の覚醒行動状態について」という論文です。
 その論文の中に、 誕生直後の覚醒状態という項があり、「誕生直後の新生児の行動状態は、覚醒状態の出
現が著 しく多 く、それ以降の時期とは非常に異なる特異な状態像を呈することが知られている」とあり、「この特異な行動状態の時期を、high arousal期と呼んでいる」と記載されています。同項の後半に、「このHigh arousal期が、分娩直後の母性的感受性に高まりをみせている母親に、新生児が噂泣 というシグナルによって母親の接近を促 し、その直後の目を開いた覚醒状態が、その接近を維持させるシグナルとしての機能を働かせている(大薮,1985)とするならは、新生児が人との交流を促進させる機能を誕生直後 より有すると
いう意味で、ここには新生児にbuilt-inされた「人指向性」機構が見出されることになろう」と述べられています。インプリティングではないが、母子の絆が形成されるとという記載とは通じるものがあるように思います。ただその後の、「今の四〇代、五〇代の日本のサラリーマンは働きバチで、わが子の出産に立ち会わなかった人も少なくありません。・・・・・・父親が「新生児の覚醒期」に強い親子の絆を結ばなかったツケが回ってきたのではないかと思います」というくだりは私には納得しかねます。興味のある方は一読されたらと思います。参考までにURLは、https://core.ac.uk/download/pdf/229789253.pdfです。
 週末です。暑さが増してきました。今日は夏日でした。熱中症にご注意され、良い週末をお過ごしください。週明けからお待ちしております。

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